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腹痛や便通異常(下痢や便秘)が持続したり、繰り返す病気です。
同じような症状のある潰瘍性大腸炎やクローン病などは大腸ファイバーなどで検査すると腸に病的な変化が見られるので器質的疾患と言われます。
一方、過敏性腸症候群は大腸ファイバーなどで検査しても腸に病的な変化が見られず、胃腸の運動を調節している自律神経の異常によって起こる機能性胃腸症の代表的な病気です。社会生活が
複雑な文明国では10人1人がり患しているとの報告もあります。
甲状腺の病気でも便通異常がきます。
治療は生活習慣の改善と薬物療法が中心です。前者は食事、排便習慣、休養と睡眠、精神面をリラックスさせるための運動や趣味、娯楽などを含みます。これだけで治癒しない場合は薬物療法が行われます。
薬物療法では亢進した腸管運動の抑制や、腸管の刺激に対する過敏な反応の抑制が治療の中心です。整腸剤、抗コリン薬などが用いられてきました。またポリフルなどの投与により糞便の物理的性質の調整が行われてきましたが、便秘にかたむきやすく、治療結果は必ずしも満足するものではありませんでした。
下痢型過敏性腸症候群の治療薬として腸のセロトニン受容体の1つ5-HT3受容体に親和性を有し、セロトニンの作用を抑制するラモセトロン(イリボー)が使用されます。
当クリニックで使用していますが、有用性が高いようです。
便秘型過敏性腸症候群には、大建中湯などの漢方薬や粘膜上皮機能改善薬であるルビプロストン(アミティーザ)、リナクロチド(リンゼス)を用います。
腹痛には抗抗コリン薬を用います。 |
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